「介護職は低学歴ばかり…」
という主張をよく見かけますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
本記事では、「介護職と学歴の関係」についてまとめました!

介護職は低学歴が多い!?その理由は?
低学歴の基準は人それぞれですが、一般的に偏差値50未満の大学以下は低学歴として認識されています。
では介護職は低学歴の人の割合が多くなるのでしょうか。
介護職は学歴不問の職業(結果低学歴が多くなる事実)
厚生労働省の需給推計によると、2025年の介護人材の需要が約253万人見込まれるのに対して、介護人材の供給は約215万人とされています。
これは、人口の多い世代が後期高齢者となり介護需要は高まるものの、供給が追いつかないことから2025年問題と言われています。
また、介護職は求められる知識、肉体的負担や精神的な負担など、業務に対して十分に給与に反映されていないと感じる人が多いことから人材確保が難しく、離職者が多いことも問題になっています。
以上の理由から、介護求人の応募採用条件にも介護資格の取得にも学歴は必要ありません。
学歴不問だと、結果的に低学歴が多くなる傾向にあります。
低学歴でも介護職で年収を上げる方法
低学歴でも年収を上げる方法としては、
・未経験者でも取得可能である介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修を取得する
・資格の取得
・比較的給与ベースの高い特別養護老人ホームに転職する
・24時間介護を行っている介護施設などで働き、夜勤回数を増やす
などがあります。
資格の有無や研修の有無で生じる給料の差はこちら▼
保有資格 | 令和2年平均月給 |
---|---|
保有資格なし | 268,680円 |
介護福祉士 | 331,080円 |
社会福祉士 | 350,120円 |
介護職員初任者研修 | 300,240円 |
実務者研修 | 302,430円 |
一番のおすすめは「資格の取得」です。
一例として「介護福祉士」を紹介します。
国家資格である介護福祉士になれば、保有資格なしの場合と比べて月57,460円の差があります。(令和3年9月集計)
これは、年間にすると約69万円の差になります。
介護福祉士の資格を取得するには、3つのルートがあります。
①厚生労働大臣が指定する指定養成施設を卒業し、卒業後に国家試験に合格すること。
②福祉系高校・福祉系特例高等学校を卒業し、国家試験に合格すること。
③介護現場で3年間の実務経験を積み、受験資格を得ること。(従業期間3年以上、従事日数540日以上、実務者研修の修了が受験資格となる。)
高学歴が介護職を選ばない理由
介護職が結果的に低学歴になる理由は上記でまとめた通りですが、ではなぜ高学歴が介護職を選ばないのでしょうか?
高学歴の人が介護職を選ばない理由として次の3つがあげられます。
①年収が低い
高学歴が介護職を選ばない理由の1つ目は、年収の低さです。
国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によると、2022年の日本人の平均年収は約458万円でした。
それに対し、同年度の賃金構造基本統計調査より算出した介護職の平均年収は約395.3万円、平均月収は約27.2万円でした。
この結果から介護職は日本人の平均年収よりも低いことがわかります。
②労働環境が悪い
高学歴が介護職にならない2つ目の理由は、労働環境の過酷さです。
介護の現場では、休憩時間を十分に取ることが出来なかったり、腰痛に悩まされたりと体力的にきつい職場であるとの声が多くあります。
また慢性的な人手不足から、職場環境の改善がなかなか進まない問題もあります。
IT化やAlの活用が急速に進む社会であっても、介護の世界で脱アナログ化が進んでいないのが事実としてあります。
③高学歴は介護職以外の選択肢がたくさんある
3つ目は、他に選択肢がたくさんあるからです。
高学歴の人の場合、幅広い職種を選択することができるため、わざわざ大手企業ほどの待遇が望めない介護職に就く必要はないと考える方もいるようです。
介護職に高学歴がいないわけではない
とはいえ、高学歴出身の人が介護職業界に全くいないわけではありません。
早慶のような最難関私立大学や、なかには東大を卒業して介護職の道に進んだ人もいます。
高学歴で介護職を目指す人は目的意識が強く、介護の道を選んで進み、介護の世界の魅力とその仕事の重要性をしっかりと理解している人が多いです。
また、介護の仕事の「専門性が低い」「体力的に大変そう」といった世間的なイメージを変えようと活動している人もいます。
ただやはり高学歴であるのに、学歴がなくても問題ない介護の道に進むことを、周囲の人に反対されることも多いようです。
介護職に興味を持っていたとしても親の反対にあったり、大学の先生から説得されて別の道に進む人も少なくはないでしょう。
介護職は確かに低学歴が多くなる職業だが、やりがいのある仕事です
介護職は確かに学歴不問であり、業界としては低学歴の人が多くなります。
一般企業で働いていると日々の仕事は「出来て当たり前」であり、人から感謝されたり、その仕事を成し遂げたことで誰かの役に立っているという実感がわくことはほとんどないでしょう。
しかし、介護の仕事はお年寄りから直接感謝の言葉を言われたり、人や社会の役に立っていることを実感できる仕事です。
また、お年寄りは人生の先輩であるので、日々接することでたくさんのことを学ぶことができます。
世間的な介護の仕事へのイメージはまだまだ厳しいものですが、人間は必ず年をとり介護を必要とします。
介護職自体なくてはならない大切な仕事で、学歴だけをみれば誰でもスタートラインに立てる仕事ではありますが、誰にでも務まる仕事ではありません。
介護職を目指す人・介護職に従事している人は自信を持って仕事をしてほしいと思います。